熱帯魚・アクアリウム用品の選び方

金魚やメダカ、グッピーなどの熱帯魚から淡水魚や海水魚まで、世間ではさまざまな観賞魚が飼育されています。飼育する際には水槽やフィルター、エアポンプ、ヒーターをはじめ、底砂、餌、お手入れグッズなどさまざまな器具が必要になります。
これから観賞魚を飼い始めようというビギナーのために、熱帯魚・アクアリウム用品の選び方をご説明いたします。
【 水槽の選び方 】

魚の飼育を始める際にまず選ぶのが水槽。水槽選びのポイントを3つの項目に分けてご説明します。


■サイズ

サイズが大きいほど水質が安定し、魚を飼育しやすくなります。
その分水槽全体の重量が増えるので、購入前に水回りやコンセントの場所などを確認し、設置場所や水換えの方法など具体的に検討しておきましょう。
大型の魚を飼育する際にはそれに見合ったサイズの水槽が必要です。その際、横幅90cm以上の大型水槽の場合には水槽スタンドの使用をおすすめします。
横幅60cmの水槽がスタンダードなサイズ。対応する器具が多く、色々な種類の魚に対応できるので、初心者におすすめのサイズです。

■材質

通常サイズの水槽ではガラスを使った物が一般的。大きなサイズになるとアクリルを使った水槽が多くなります。それぞれの材質の特徴は
ガラス :表面が硬く、傷が付きにくい。衝撃には弱いので割れる恐れがある。重い。
アクリル:軽量で、割れにくい。ガラスに比べて透明度が高い。経年によって表面が曇りやすく、傷が付きやすい。

■デザイン

最近の主流はフレームレス(枠なし)タイプ。水槽内の見通しがよく、インテリア性が高いので人気があります。
また、前面と側面の接着部分がない「曲げガラス水槽」も同じフレームレスタイプ。
一方、昔から定番で使われてきた枠のある水槽。黒いプラスチックやステンレスなどで縁や接着部を補強してある水槽です。技術の進歩によって補強がなくても十分な強度が得られるようになりました。それによって、枠で補強をして薄いガラスを使用した透明度の高い水槽や、フレームレスに比べてメンテナンスがしやすいといった特徴があります。

【 フィルターの選び方 】

水槽内の飼育水をきれいにするために必要なフィルター。魚の排せつ物や餌の食べ残し、バクテリアの死骸などを取り除きます。ここではフィルターを種類ごとにご説明します。


■上部式フィルター

水槽の上部に設置するフィルター。直接水槽に載せるため、枠のある水槽に取り付けて使用します。ろ過能力が高く、メンテナンスも容易。また、水中に酸素を取り込みやすく、魚中心の生体水槽に最適です。

■外部式フィルター

離れた場所にフィルター本体を設置するため、水槽周りがすっきりとします。また静音性に優れているのも特徴の1つ。ろ過能力も高く、密閉構造で水を循環させるので二酸化炭素が必要な水草水槽に最適です。水槽のサイズ や目的に応じて選ぶことができる拡張性の高いフィルターです。

■外掛け式フィルター

水槽の縁に掛けて設置します。ろ過能力は高くありませんが、フィルターとしてのバランスがよく、小型の水槽で少数の魚を飼育するには相性が良いフィルターです。比較的安価でメンテナンスが容易なのもポイント。

■底面式フィルター

水槽の底に設置し、フィルターの上に砂やソイルなどをろ材として敷きます。そのため、ろ過能力は非常に高く、生体の育成には非常に向いています。水槽の底面に設置することから、ゴミなどを取り除く必要があり、定期的なメンテナンスが必要です。

■水中(投げ込み式)フィルター

水槽内にフィルターを投入し、水中でろ過を行うフィルター。安価で手軽に使いやすく、ろ過能力は低め。大型水槽の場合はサブフィルターとして使用されることもあります。水中でポンプによって循環するタイプとエアーポンプと接続して使用するタイプに分かれます。

■スポンジフィルター

エアーポンプに取り付けて使用するフィルター。そのため、水中に酸素を供給しやすく、主に生体水槽で使用します。スポンジにより小型の魚を吸い込みにくいので、稚魚の育成やヌマエビなどの飼育に使われます。ろ過能力は中程度。スポンジの目詰まりを防ぐ為に、1~2週間ごとにメンテナンスが必要です。
【 ヒーターの選び方 】

気温と同じように、夏は高く、冬は低くなる水温。最適な水温を保つ為にはヒーター・サーモスタットが必要です。魚の種類によって異なりますが、一般的には25度前後が適温。夏場の高温もさることながら、冬場の低温は魚にとって死活問題です。急な温度変化に弱い魚のために、あらかじめ準備をしておきましょう。


■分離型

発熱する”ヒーター”と温度の管理をする”サーモスタット”が別々になっているタイプ。ヒーターは消耗品的な意味合いが強く、1年程度での交換が推奨されています。ヒーターを交換する際や、万が一どちらかが故障した場合でも片方だけを取り替えることができます。他の種類と違い、温度を感知するセンサーが内蔵されていないので、別途設置する必要があります。

■一体型

ヒーターとサーモスタットが一緒になっているタイプ。一体になっているので、分離型よりもコンパクト。また、センサーはヒーターに内蔵されているため、水槽周りに大きなスペースが必要ありません。故障の際には、全体の買い換えが必要です。

■オートヒーター

温度設定ができず、あらかじめ決まった温度に加熱するタイプ。機能が少ない分コンパクトで比較的安価。もともとは小型水槽用として使われていましたが、最近では大型水槽に対応したオートヒーターも発売されています。

水槽のサイズに適した出力のヒーターを使用することで、より効率的に温度管理ができます。目安となる組み合わせをまとめました。製品によっては適合水槽やサイズの記載がありますので、併せてご確認ください。

水槽サイズ水量ワット数
30cm約20L50w
45cm約40L100w
60cm約55L150w
70cm約100L200w
90cm約150L300w
【 底床・底砂の選び方 】
水槽の性質を大きく左右する底床。飼育する魚や水草の種類によっても選ぶ底床が変わってきます。ここでは底床の種類と特徴をご説明します。

■砂・砂利・大磯砂

昔から一般的な底床として使われている砂。見た目も良く、洗えるため、半永久的に使用が可能。それぞれの特徴は、
砂  :当たりが柔らかいので、水槽の底部で生活する魚の飼育に最適。水質を維持するための微生物が付着しづらい。
砂利 :砂よりも大きめの小石など。砂より微生物が付着しやすい。
大磯砂:砂に含まれている貝殻などにより水質がアルカリ性に傾く。アルカリ性を好む魚や水草の育成に最適。

■ソイル

粒状に加工された土。土中に栄養分が含まれているため、水草の育成に最適。また、水中の有害物質や栄養素などの吸着に優れています。1年程度で養分がなくなり、粒が崩れて泥状になるので交換が必要です。また、水質を弱酸性に傾けます。
水草を中心にした水槽の場合にはソイルを使用するのが一般的です。

■溶岩石

形が崩れないので、洗って半永久的に使用が可能です。また、多孔質で微生物が付着しやすい構造。砂利などと違い、角が尖っている物もあるので、魚によっては怪我をしてしまう恐れがあります。

■セラミック

土を焼き固めたもの。ソイルとは違い、栄養分を含まず、硬く焼き固められているので、半永久的に使用できます。多孔質で水質を維持する微生物の定着がしやすい。商品によって、水質を酸性に傾ける物、アルカリ性に傾ける物があります。

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