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話は富野由悠季の幼少期に遡る。ブリキの玩具の全盛期、ブリキの玩具で子どもが怪我をしてもおかしくない。そういうものを見て育った世代である。それを見て子どもをバカにするなと感じた富野は、アニメの道に進む決心をした。アニメは子どもに怪我をさせたりしない、そう思ったのだろう。
他方で、ブリキの玩具の不思議な魅力に反応できる子どもでもあった。富野作品の世界観を特徴づける不思議な魅力は、ダンバインであれガンダムであれエルガイムであれイデオンであれ、ロボットに帰着する。そのパイロットはパイロット単独ではパイロットたり得ない。ガンダムシリーズに関して、ニュータイプという単語が宙吊りにされ、一人歩きするのもこの為である。分からなくした方が良いというのは、何も富野の作品に限った話ではない。ロボットに帰着するロボットものの魅力とは何なのか、富野の初心はどこへ行ったのか。 ガンダムシリーズに関して、富野が掲げたテーマは、平和であった。戦争兵器が象徴する平和とは何なのか?カラーリングが白かだら平和?これは何のジョークだろう?目に刺さるエキセントリックな三原色。完全に子ども騙しの世界である。戦争の原因は何か?何があったのか?そう言う話は一切しない。戦争に関しては懐疑的見解の一点張りで、気に入らない態度が有れば当たり散らす。気に入らなければ、戦争が良いと言っているのか、などと言えば良い。周囲は下手なことを言えない。富野と同世代の表現者にも通じる直情型の思考である。 自己の戦争体験を吟味した結果がこれなのか?見当違いの反戦運動と良い勝負である。反戦運動で結果が出るならこんな世の中にはなっていない。オタクの現実逃避という奴だろうか。機動戦士ガンダムUCも、平和への祈りとは一切関係がない。直情型の思考は、短絡で安易な結末にも現れている。 ロボットとオカルトの接点を見出すことが出来る人がどれだけ居るだろうか?自分が経験したことしか人に伝えることは出来ないと、富野はいう。他方で、富野の体験は富野の作品に示されていない。往事のブリキの玩具に見た魅力をロボットもののロボットに投影できるひとは必ずしも多くないだろう。個人的な印象になるが、現実には、ロボットはむしろ機械工業の所産、合理主義の所産ではないだろうか。富野のプライベートな体験を伝えて鑑賞するべきものとは思わないが、ガンダムの倒錯に無頓着なひとのなんと多いことか。 戦争の拒絶反応が導出した答えがこれなのかという、疑問符が欲しい。極論を言えば、富野に不満を持たせた子どもの玩具も、戦争の原因も、人間の対立であり、利害関係の対立である。問題の規模にかかわらず、人は無力である。富野の無力感はエピーソド6でフルフロンタルを借りて語られる。戦争映画を引き合いに出しての直情型思考の押し売りが未だに後を絶たないが、あくまで反面教師として捉えたい。 制作の現場とその背景にどんな事情があったのか。これに気付ける人がどれだけ居るだろう。勿論、映像は映像として楽しむことはできるだろう。 戦争をネタにしてカネにするアニメ業界、人をゴミのように扱うアニメ製作。その背後にどんな嘘、詭計、欺瞞、暴力があったのか。想像して欲しい。 |
原作は未読で最終巻まで惰性で購入しました。絵は綺麗ですが、個人的な好みに合いませんでした。以下、好みに合わなかった点。
・原作者が名台詞を言わせようとしているせいか、登場人物の言うことが一々説教臭すぎる。 (英語音声は説教臭さが無くなります。) ・唯一楽しみにしていたMSの戦闘シーンも最終巻で残念な内容に。 ・物語のネタバラシを聞いた時の「え?それだけ?」感が尋常じゃない。 ・最初からディスクに収録しておくべき特典を一々ネットからダウンロードさせ、消費者の手間を考慮していない。 それぞれ減点1、よって星1です。 |
買い直しです。
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ガンダムUC、ついに完結です。
小説も読んでいましたが、映像になると迫力があってよいですね。 |