古い国産のアンティーク(機械式)腕時計が好きで、収集を始めてかれこれ30年以上経ちます。
9月に、時々お世話になっているアンティーク腕時計店で本誌発売のことを教えてもらいました。 久しぶりの国産腕時計のムックの発売とあって、店内で少しページをめくっただけでしたが、早速購入しました。 90年代は、バブル期の舶来のアンティーク腕時計ブームの勢いが、ほぼそのまま国産アンティークにも伝播した記憶があります。モノマガジンが火付け役となり、グッズプレスや時計ビギンが後に続いた感じだったでしょうか。私が収集を始めたのは、だいたいその頃です。 当時は、モノマガジン別冊の「国産腕時計博物館」がほぼ唯一のバイブルでした。ムックのせいか、ありとあらゆるモデルを、時系列や体系などは二の次でごった煮のような誌面でしたが、底なし沼のような世界にひたすら読みふけり、魅了されて行きました。 その後は、いわゆる「トンボ本」と言われる国産腕時計シリーズの書籍が、きちんと体系立てて詳説されてくれたおかげで、これまであまり顧みられることがなかった国産腕時計の歴史と進化が明らかになりました。 さて、本誌は、ムックというだけあって、やはりムックの体裁だと思いました。体系立てて詳説するよりも、読者やマニアにウケそうな(珍重されている)モデルを中心に、章を分けながら紹介している傾向が強いです。 「トンボ本」で世話になった(?)私としては、これはこれで良いと思います。ある腕時計と、その腕時計が発売されていた年代・時代に存在した別のメーカーの腕時計とを並べるなど、いわば「横串」で紹介しているところは、なかなか興味深いと思いました。特に、1969年にセイコーが極めた「極薄型高級ドレスウオッチ(UTD)」「クオーツ・アストロン」「天文台クロノメーター」といういわば大三元モデルの章は、とても面白いと思いました。 国産腕時計というと、やはりGS(グランドセイコー)は外せないでしょう。本誌でも紹介していますが、どちらかというと初期ロービートモデルに比重を置いているようです。ハイビートモデルが殆ど出て来ないのは意外でした。 意外といえば、これまでGSの影に隠れて目立たなかったKS(キングセイコー)や、GC(グロリアスシチズン)にもスポットを当てています。 それにしても、おそらく何人かのコレクター氏秘蔵の珍しいモデルが、これでもかと思うほど惜しげもなく誌面で踊っていて、これらを眺めるだけでもワクワクしてきます。 このような内容が主ですので、国産腕時計の進化の「正統派」「正攻法」ともいえる「マーベル」「クロノス」「クラウン」に関しては殆ど取り上げられていません。但し、これらのモデルは、グッズブレス別冊「SEIKO BOOK」(絶版)で詳説されていますので、本誌の立ち位置としては、やはりこれで良いのだと思います。 内容としては、概ね満足です。 「国産腕時計大全」と壮大なタイトルからすると、オーラルヒストリーを期待してしまいますが、それはちょっと違うかなとは思います。 しかし、国産腕時計の底なし沼にはまっている私としては、これまでとは違った視点での詳解や、これまで顧みられなかったモデルにスポットを当ててくれたのは、良かったと思います。 また、国産腕時計に新たに興味を持たれた方にとっては、ページをめくる度に興味が湧いてくるかもしれません。 難を言えば、価格が4,400.-(税込)とかなり高価になったことでしょう。私の勝手なイメージでは、2,500.-くらいかと思うのですが...出版不況が続いていることを思うと、仕方がないのかもしれません。 |
































































































