■必殺仕事人 第69話 盗り技 乱調お神楽刺し
ストーリー
毎年大勢の見物人で賑わう、深川水天宮の秋の大祭。そんな人込みで頻発するのがスリの被害……ということで、主水らは祭の警護に付くことに。そんな中、旗本の侍がぶつかって来た子供を無礼討ちにしようとして、騒ぎになってしまう。……が、実はこれはスリ一味の手口だった。飴売りを装った善六を頭とするスリの一味は、親のない子供たちを集めて無理やりスリに仕立て上げ、子供を助けようとする見物人たちから財布を掏らせていたのだ。旗本の宇垣玄馬や小杉左源太も、彼らと手を組んでひと芝居打っていたのである。そんな中、偶然騒ぎを見かけた老舗呉服問屋・松葉屋の後妻・お峰は、思わず息を呑んだ。見物客に庇われていた少年が、生き別れになっていた息子・千吉にそっくりだったからだ。彼女は芸者をしている際に松葉屋の主人・壮助に見初められて後妻に入ったが、そのときに息子がいることをなかなか言い出せず、いずれは打ち明けるつもりで年老いた母・つるに預けていた。しかしその後知らない内につるが急死してしまい、以後千吉の行方は今日まで分からず終いだったのである。お峰は必死に千吉を探し回り、ようやく見付け出して松葉屋へと連れ帰った。お峰から全てを聞いた壮助は、かねてから跡継ぎが欲しかったこともあって、喜んで千吉を我が子として迎え入れ可愛がった。しかしそれを知った善六一味は、千吉を誘拐して千両もの身代金を要求する。