仏像と日本人―宗教と美の近現代(中公新書) [新書]

仏像鑑賞が始まったのは、実は近代以降である。明治初期に吹き荒れた廃仏毀釈の嵐、すべてに軍が優先された戦時下、レジャーに沸く高度経済成長期から、“仏像ブーム”の現代まで、人々はさまざまな思いで仏像と向き合ってきた。本書では、岡倉天心、和辻哲郎、土門拳、白洲正子、みうらじゅんなど各時代の、“知識人”を通して、日本人の感性の変化をたどる。劇的に変わった日本の宗教と美のあり方が明らかに。

序章　仏像巡りの基層
第１章　日本美術史の構築と仏教―明治期
第２章　教養と古寺巡礼―大正期
第３章　戦時下の宗教復興―昭和戦前期
第４章　仏像写真の時代―昭和戦後期（１）
第５章　観光と宗教の交錯―昭和戦後期（２）
終章　仏像巡りの現在

碧海 寿広(オオミ トシヒロ)
１９８１年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士（社会学）。（公財）国際宗教研究所宗教情報リサーチセンター研究員を経て、龍谷大学アジア仏教文化研究センター博士研究員。慶應義塾大学、立教大学、武蔵野大学、フェリス女学院大学ほか非常勤（兼任）講師

寺や仏像と日本人はどのように関わってきたのか。岡倉天心、和辻哲郎、高村光太郎、土門拳、白洲正子、みうらじゅんなどを通して、この国の宗教と美のかたちを浮き彫りにする。

碧海寿広 (オオミトシヒロ)
1981年東京生まれ．慶應義塾大学経済学部卒，同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学．博士（社会学） ．（公財）国際宗教研究所宗教情報リサーチセンター研究員を経て，龍谷大学アジア仏教文化研究センター博士研究員．慶應義塾大学 ，立教大学 ，武蔵野大学，フェリス女学院大学ほか非常勤（兼任）講師．著書『近代仏教のなかの真宗』（法藏館，2014年），『入門 近代仏教思想』（ちくま新書，2016年）．共編著『清沢満之と近代日本』（法藏館，2016年）．共著『宗教と資本主義・国家』（KADOKAWA，2018年）ほか．