戦争ストレスと神経症 新装版 [単行本]

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戦争ストレスと神経症 新装版 [単行本]

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出版社:みすず書房
販売開始日: 2024/02/15
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戦争ストレスと神経症 新装版 [単行本] の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    戦争神経症の歴史は、精神科医と一般公衆との移り気に翻弄されてきた歴史である。第一次大戦直後の非常な関心はまもなく腰砕けになってしまった。平和時の神経症と違って、戦争神経症の研究は断続的で、それも気のない研究が多い。研究はバラバラに行われ、そのために手ひどい混乱が起こっている。…戦争のストレスによる症候群は一つしかない。…たしかに戦時特有の障害も多く、それは軍事精神医学の対象とするのが適当であるが、戦争神経症はそうではない。あらゆる社会のあらゆる人間に共通な性格と神経症とが戦争という強裂なストレス下に、非常に多くのヴァリエーションを生み出す。このことは臨床上も学問的にも重要である。…本書は戦争に特有の一症候群の研究を行おうとする。それは外傷神経症、シェルショック、戦闘消耗と同一のものである。すべて、戦争のストレスに続発する共通の後天的障害である。J・ハーマンが『心的外傷と回復』で何度も参照するなど、PTSD概念の礎石を築いた本書(初版1941,第二版1947)は、戦争神経症への専門家の座右の書であるばかりか、PTSDとは何か、さらには戦争の惨禍が何をもたらすのかを考えるための、類例のない書である。第一次世界大戦を主に扱いながら、現在のイラク戦争や自衛隊派遣など、危急の問題にも対応できる基本文献である。著者の「戦争の外傷神経症」(1959)を付録とし、併せて中井久夫による「訳語について」等を巻末に付した。
  • 目次

    第2版への序
    初版への序

    第1章 はじめに

    第2章 兵士と兵役
    戦争のもたらすストレス
    戦争神経症」特有の問題とは

    第3章 戦場精神医学
    兵士の戦闘環境
    戦場精神医学における問題点

    第4章 急性期
    急性神経症の構造
    結論

    第5章 急性期の治療
    クリアリング・ステーション(後送待機場)
    エヴァキュエーション・ホスピタル(後送病院)
    リア・エシュロン・ホスピタル(後方梯団病院)

    第6章 慢性期の症状学
    心気症
    統合失調症
    転移神経症
    防衛儀式とチック
    自律神経障害――心身症
    感覚運動障害
    急性衝撃精神病とてんかん症状群
    要約

    第7章 症状の分析
    心的外傷(トラウマ)とは何か
    不安と外傷状況
    適応の神経症的変化
    外傷神経症の必発現象
    退行か解体か
    外傷神経症とてんかん
    まとめと結論

    第8章 効果的な自我の発達
    適応とは何か
    適応パターンの発達
    マステリーの発達――機能の自動化
    内的環境とその活動における役割
    効果的な自我と失敗反応
    要約と結論

    第9章 精神力動
    「行動システム」の構造と関係
    抑止の帰結
    疾病学的観察――身体神経症
    要約と結論

    第10章 慢性段階の治療
    技法の選択
    技法のさらなるポイント

    第11章 経過、予後、鑑別診断
    経過
    予後
    鑑別診断
    外傷神経症のロールシャッハ・テスト

    第12章 法的問題点

    付録
    訳語について
    軍事用語と軍隊システム若干
    訳者あとがき
    文献
  • 出版社からのコメント

    PTSDとは何か。戦争の惨禍は何をもたらすのか。戦争による外傷神経症を初めて描いた基本図書。
  • 内容紹介

    〈戦争神経症の歴史は、精神科医と一般公衆との移り気に翻弄されてきた歴史である。第一次大戦直後の非常な関心はまもなく腰砕けになってしまった。平和時の神経症と違って、戦争神経症の研究は断続的で、それも気のない研究が多い。研究はバラバラに行われ、そのために手ひどい混乱が起こっている。…戦争のストレスによる症候群は一つしかない。…たしかに戦時特有の障害も多く、それは軍事精神医学の対象とするのが適当であるが、戦争神経症はそうではない。あらゆる社会のあらゆる人間に共通な性格と神経症とが戦争という強烈なストレス下に、非常に多くのヴァリエーションを生み出す。このことは臨床上も学問的にも重要である。…本書は戦争に特有の一症候群の研究を行おうとする。それは外傷神経症、シェルショック、戦闘消耗と同一のものである。すべて、戦争のストレスに続発する共通の後天的障害である〉

    J・ハーマンが『心的外傷と回復』で何度も参照するなど、PTSD概念の礎石を築いた本書(初版1941、第二版1947)は、戦争神経症への専門家の座右の書であるばかりか、PTSDとは何か、さらには戦争の惨禍が何をもたらすのかを考えるための、類例のない書である。第一次世界大戦を主に扱いながら、現在のイラク戦争や自衛隊派遣など、危急の問題にも対応できる基本文献である。著者の「戦争の外傷神経症」(1959)を付録とし、併せて中井久夫による「訳語について」等を巻末に付した。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    カーディナー,エイブラム(カーディナー,エイブラム/Kardiner,Abram)
    1891‐1981。1891年ニューヨーク生まれ。コーネル大学医学部卒業後、精神分析学・精神医学・文化人類学の研究に従事。1921年にはウィーンに渡りフロイトの教育分析を受け、その後フロイトはじめ、アブラハム、フェレンツィ、ハンス・ザックス、ローヘイムの講義などに出席、帰国後ニューヨーク市ブロンクス区の第81合衆国復員軍人病院外来のattending specialistとなり、戦争神経症患者を3年間診察、本書の臨床的基盤となる。他方で文化人類学のセミナーを長くつづけた

    中井 久夫(ナカイ ヒサオ)
    1934年奈良県に生れる。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。2022年歿

    加藤 寛(カトウ ヒロシ)
    兵庫県こころのケアセンターセンター長
  • 著者について

    エイブラム・カーディナー (エイブラムカーディナー)
    (Abram Kardiner)
    1891年ニューヨーク生まれ。コーネル大学医学部卒業後、精神分析学・精神医学・文化人類学の研究に従事。1921年にはウィーンに渡りフロイトの教育分析を受け、その後フロイトはじめ、アブラハム、フェレンツィ、ハンス・ザックス、ローヘイムの講義などに出席、帰国後ニューヨーク市ブロンクス区の第81合衆国復員軍人病院外来のAttending spicialistとなり、戦争神経症患者を3年間診察、本書の臨床的基盤となる。他方で文化人類学のセミナーを長くつづけた。その分野での基本的著書には『個人とその社会』(1939)がある。その後コロンビア大学、エモリー大学教授を歴任した。1981年歿。本書の初版『戦争の外傷神経症』は1941年に刊行、第二次大戦後にスピーゲルの助力をえて1947年に本書が刊行され、PTSD概念の基礎を世に残した。1981年歿。
    *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

    中井久夫 (ナカイヒサオ)
    (なかい・ひさお)
    1934年奈良県に生れる。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。2022年歿。著書『中井久夫著作集――精神医学の経験』全6巻別巻2(岩崎学術出版社、1984-91)『最終講義――分裂病私見』(1998)『徴候・記憶・外傷』(2004)『サリヴァン、アメリカの精神科医』(2012)『統合失調症の有為転変』(2013、以上みすず書房)ほか多数。訳書としてみすず書房からは、サリヴァン『現代精神医学の概念』『精神医学の臨床研究』『精神医学的面接』『精神医学は対人関係論である』『分裂病は人間的過程である』『サリヴァンの精神科セミナー』、ハーマン『心的外傷と回復』、バリント『一次愛と精神分析技法』(共訳)、ヤング『PTSDの医療人類学』(共訳)、『エランベルジェ著作集』(全3巻)、カーディナー『戦争ストレスと神経症』(共訳)などが刊行されている。
    *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

    加藤寛 (カトウヒロシ)
    (かとう・ひろし)
    兵庫県こころのケアセンター センター長。著書に『災害とトラウマ』(分担執筆、みすず書房、1999)『消防士を救え!――災害救援者のための惨事ストレス対策講座』(東京法令出版、2009)『心のケア――阪神・淡路大震災から東北へ』(共著、講談社、2011)など。
    *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

戦争ストレスと神経症 新装版 [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:みすず書房
著者名:エイブラム カーディナー(著)/中井 久夫(訳)/加藤 寛(訳)
発行年月日:2024/02/07
ISBN-10:4622096870
ISBN-13:9784622096870
判型:A5
発売社名:みすず書房
対象:専門
発行形態:単行本
内容:心理学
言語:日本語
ページ数:402ページ
重量:710g
その他: 原書名: WAR STRESS AND NEUROTIC ILLNESS
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