つらい痛みは漢方で治す―頭痛・肩こり・腰痛・関節痛 [単行本]

つらい痛みは漢方で治す―頭痛・肩こり・腰痛・関節痛 の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  漢方は日本人の体質に最も適した医療。陰陽、虚実、寒熱、気血水―４つの視点から体質や症状を分析し、保険適用の最適な漢方薬を選ぶ。延べ２０万人の患者を診てきた整形外科・漢方ダブル専門医が、漢方の仕組みから効果までを詳しく解説！

• 目次

  はじめに
  
  第１章　多くの日本人が悩まされる原因不明の身体の痛み 痛みが起こるメカニズムとは
  日本人の多くが痛みに悩まされている
  痛みは本来、体や生命を守るために不可欠な感覚
  生活の変化が痛みを持つ人を増やすことも
  痛みが起こるメカニズムとは
  痛みは慢性化するとひどくなる
  
  第２章　漢方は日本人の体質に最も適した医療 漢方の成り立ちと性質をひもとく
  西洋医学の薬の限界
  痛みを根本から治療する漢方
  日本人に必要な漢方
  天然物の生薬を組み合わせたのが漢方
  漢方薬と民間薬、西洋薬の違い
  漢方薬のさまざまな剤型
  漢方の普及に欠かせなかったエキス製剤
  漢方薬の番号はどのように決まったのか
  高齢化・複雑化した現代に、漢方医療は不可欠な存在に
  
  第３章　身体の「ひずみ」を矯正し、内側から痛みを取り除く 自己治癒力を最大限に高める漢方の考え方
  漢方は「ひずみ」を正し、自己治癒力を高める
  「気」は生体のエネルギー。気を治療すると血・水も整う
  「血」は、生体を支える赤い液体。血の滞りがさまざまな不調を生む
  「水」は、生体を支える無色の液体。水の分布異常が痛みに関係
  関節痛、神経痛のような痛みと、瘀血（おけつ）・水毒の関係
  その人の「証」を見極めて、治療をするのが漢方
  漢方の五感を使った診察法「望・聞・問・切」
  切診のなかでも特に重要なのが「腹診」
  舌の状態をみる「舌診」も、漢方の診断に不可欠
  一人ひとりに合わせた処方「同病異治」と「異病同治」
  痛みの治療で「次の一手」として用いる生薬⑴　附子
  痛みの治療で「次の一手」として用いる生薬⑵　サフラン
  最適な漢方薬を用いれば痛みが和らぎ、体の中から元気に
  
  第４章　頭痛・肩こり・腰痛・関節痛…… 症状別に解説　よく効く漢方
  原料生薬はどこから
  国民医療費について
  漢方薬の売上高について
  心（しん）身（しん）一（いち）如（にょ）
  痛む場所・症状から知る漢方治療
  頭痛
  頭痛の原因はさまざま。漢方では「水毒」と関係が深い
  ◆ 頭痛の漢方治療①　水毒による頭痛には「17五苓散」がよく効く
  ◆ 頭痛の漢方治療②　虚証タイプで冷え症がある人の頭痛には「31呉（ご）茱（しゅ）萸（ゆ） 湯（とう）」を
  ◆ 頭痛の漢方治療③　胃腸が弱く、食欲がない人の頭痛は「82桂枝人参湯」で体を温める
  むちうち症（頸椎捻挫）
  水や血の停滞を流したり、自律神経を整えて不調を改善
  肩こり
  姿勢や運動不足、ストレスなどさまざまな原因で起こる「肩こり」
  ◆ 肩こりの漢方治療①　中間証の人の慢性肩こりが「1葛根湯」で改善
  ◆ 肩こりの漢方治療②　手足の冷えがある人の肩こりには「Ｓ―07葛（かっ）根（こん）加（か）朮（じゅつ）附（ぶ）湯（とう）」
  ◆ 肩こりの漢方治療③　イライラ、肋骨下の張りがある人の肩こりに「12柴（さい）胡（こ）加（か）竜（りゅう）骨（こつ）牡（ぼ）蛎（れい）湯（とう）」が効果
  ◆ 肩こりの漢方治療④　体力が弱く、冷え症の人の肩こりに「11柴胡桂枝乾姜湯」
  肩こりを予防する「肩こり体操」と日常生活の注意
  肩関節周囲炎（五十肩）
  特定の原因もなく、発症するのが「五十肩」
  ◆ 五十肩の漢方治療　体力が落ちた女性の肩関節周囲炎に、「Ｓ―07葛根加朮附湯＋88二朮湯」を処方
  五十肩には、肩の可動域を広げ、痛みを和らげる体操も有効
  腰痛・坐骨神経痛
  整形外科で、最も患者が多いのが「腰痛」
  ◆ 腰痛の漢方治療①　杖がないと歩けなかった高齢男性の腰痛を「7八味地黄丸」で治療
  ◆ 腰痛の漢方治療②　糖尿病がある人の転倒後の腰痛に「7八味地黄丸」を処方
  ◆ 腰痛の漢方治療③　むくみや冷えを伴う高齢女性の腰痛が「107牛車腎気丸」で改善
  ◆ 腰痛の漢方治療④　瘀血のある更年期の腰痛に「25桂（けい）枝（し）茯（ぶく）苓（りょう）丸（がん）」が効果
  ◆ 腰痛の漢方治療⑤　「118苓（りょう）姜（きょう）朮（じゅつ）甘（かん）湯（とう）」で、足腰の冷えを伴う脊柱管狭窄症を治療
  ◆ 腰痛の漢方治療⑥　脊柱管狭窄症による腰痛を「48十（じゅう）全（ぜん）大（たい）補（ほ）湯（とう）＋53疎経活血湯」独活寄生湯の近似処方で治療
  腰痛の改善・予防になる「腰痛体操」
  ひざの痛み
  ◆ ひざ痛の漢方治療　色白で、水太りタイプの人の変形性膝関節症に「20防（ぼう）已（い）黄（おう）耆（ぎ）湯（とう）」が効果
  変形性膝関節症の運動療法「膝体操」
  大切なひざを守る、日常生活の注意点
  関節リウマチ
  漢方では風・寒・湿に注目して「関節リウマチ」を治療
  ◆ 関節リウマチの漢方治療①　色白、中間証タイプのリウマチに「20防已黄耆湯＋78麻杏薏甘湯」の合方を処方
  ◆ 関節リウマチの漢方治療②　体力低下した女性の関節リウマチを「48十全大補湯」と「Ｓ―10桂（けい）芍（しゃく）知（ち）母（も）湯（とう）」で治療
  ◆ 関節リウマチの漢方治療③　「97大防風湯」で、再発した慢性の関節リウマチの痛みが改善
  神経痛
  肋間神経痛などのほか、帯状疱疹後神経痛も増えている
  ◆ 神経痛の漢方治療　「35四（し）逆（ぎゃく）散（さん）」で肋間神経痛が改善
  こむら返り
  筋肉減少や疲労、動脈硬化などが原因で筋肉がつる症状
  ◆ こむら返りの漢方治療①　実証タイプの夜間に起こるこむら返りを「68芍薬甘草湯」で治療
  ◆ こむら返りの漢方治療②　足の冷えを伴うこむら返りには「ＳＧ－146芍薬甘草附子湯」が効果
  打撲・捻挫
  漢方では、打撲による内出血を「血のうっ滞」ととらえる
  ◆ 打撲の漢方治療①　「89治打撲一方」の処方で、短期間で打撲の痛み・腫れが改善（2症例）
  ◆ 打撲の漢方治療②　瘀血がある人の打撲・捻挫を改善する「89治打撲一方＋25桂枝茯苓丸」
  冷えが原因の痛み
  気血の不足や滞りで「冷え」と「痛み」が起こる
  ◆ 冷えによる痛みの漢方治療①　冷えによる腰痛を「18桂（けい）枝（し）加（か）朮（じゅつ）附（ぶ）湯（とう）」で治療
  ◆ 冷えによる痛みの漢方治療②　冷えのぼせがある女性の関節痛・腰痛が「63五積散」で軽快
  ストレスによる痛み
  ストレスや心因性の痛みに悩む人が増えている
  ◆ ストレスによる痛みの漢方治療①　イライラしやすい人の痛みに「54抑肝散」を使用
  ◆ ストレスによる痛みの漢方治療②「24加（か）味（み）逍（しょう）遙（よう）散（さん）」の有効例
  ◆ ストレスによる痛みの漢方治療③　気鬱とのどの違和感がある人の痛みに「16半（はん）夏（げ）厚（こう）朴（ぼく）湯（とう）」が効果
  フレイル
  高齢世代は、心身の虚弱＝フレイルに注意が必要
  ◆ フレイルの漢方治療①　「41補（ほ）中（ちゅう）益（えっ）気（き）湯（とう）」で、食欲と元気がもどった高齢女性
  ◆ フレイルの漢方治療②　皮膚の乾燥をともなうフレイルを「48十全大補湯」で治療
  ◆ フレイルの漢方治療③　認知症の人のフレイルに「108人参養栄湯」を処方
  筋肉痛
  筋肉痛のような急性の症状を抑える漢方薬もある
  ◆ 筋肉痛の漢方治療　筋肉痛・関節痛の治療に「78麻杏薏甘湯」が効果
  腱鞘炎・上顆炎（テニス肘）
  手首や手指に起こる腱鞘炎、ひじの外側が痛むのが上顆炎
  ◆ 腱鞘炎の漢方治療　腱鞘炎（ばね指）と「125桂（けい）枝（し）茯（ぶく）苓（りょう）丸（がん）加（か）薏（よく）苡（い）仁（にん）」の症例
  浮腫（むくみ）
  膝関節手術後の浮腫の改善にも、漢方が役立つ
  ◆ 浮腫の漢方治療①　ひざの手術のあとの浮腫に「20防已黄耆湯＋89治打撲一方」を処方
  ◆ 浮腫の漢方治療②　左手に現れた浮腫を「114柴苓湯」で治療
  骨粗鬆症
  社会の高齢化に伴い、増えているのが骨粗鬆症
  ◆ 骨粗鬆症の漢方治療①　自宅で転倒・骨折した男性が「7八味地黄丸」を服用して回復
  ◆ 骨粗鬆症の漢方治療②　虚証タイプの女性の骨粗鬆症を「41補中益気湯」で治療
  
  第５章　痛みを治すカギは継続して服用すること 適切な漢方を服用し、つらい痛みから解放される
  漢方薬と上手に付き合うために
  漢方薬使用時の注意すべき副作用と症状
  漢方薬を２剤以上使うとき、西洋薬との飲み合わせの注意
  漢方薬の使用に注意が必要な人
  漢方治療に詳しい医師の探し方
  漢方で、痛みから解放されて快適な生活を
  
  おわりに
  参考文献

• 内容紹介

  患者一人ひとりに合わせた治療で痛みを解消！
  
  慢性痛を根本から治す、整形外科に漢方を取り入れた治療法を解説
  
  頭痛や肩こり、腰痛はもはや国民病となっており、多くの人が悩まされています。これらの症状を抱える人は鎮痛剤や抗炎症薬を服用したり、湿布を貼ったりして治そうとはするものの、そのほとんどが根本的な解決には至らず、痛みが慢性化してしまっている人も少なくありません。
  
  本書の著者は、50年以上にわたり肩や腰などの痛みに悩む多くの患者を治療してきた整形外科医です。著者によれば、慢性的な痛みは多くの場合、血行不良、疲労、睡眠不足、ストレスなどにより身体のバランスが崩れることが原因で起こります。そのため、痛みのある患部に対しての対症療法的な処置を行う一般的な整形外科的治療では、完治が難しく慢性化してしまうケースがほとんどなのだといいます。
  これに対して、身体全体のバランスを整えるのが漢方治療です。
  慢性的な痛みに悩む患者をなんとか救おうと、著者は整形外科に漢方を取り入れた治療を行っています。
  
  漢方治療では、患者が訴える症状の根本原因をその人の生活習慣や体質を踏まえて診断し、治療方針を組み立てます。患者の体質を改善し、痛みの原因となっている身体のバランスのひずみを整えることで、痛みを根本から取り除くことができるのです。著者のクリニックでも、整形外科的な治療に漢方治療を併用することで、何十年も苦しんでいた患者たちが身体の痛みから解放されたといいます。
  
  本書では、著者の治療実績を踏まえ、多くの人が悩んでいる慢性的な頭痛や肩こり、腰痛を改善する漢方治療を具体的に紹介していきます。また、漢方薬についても効能や服用時の注意点など詳細な情報を盛り込んでいます。痛みを気にすることなく快適な毎日を過ごすための一歩となる一冊です。

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  鎌野 俊彦(カマノ トシヒコ)
  医学博士

• 著者について

  鎌野俊彦 (カマノトシヒコ)
  鎌野俊彦（かまの・としひこ）
  1946年、愛媛県に生まれる。順天堂大学医学部卒業、同大学整形外科教室入局。その後東京労災病院整形外科副部長、順天堂大学医学部講師を歴任。
  日本で初めて大学の整形外科に東洋医学外来を開設するなど、整形外科領域にハリ、漢方治療を導入し成果を挙げる。著書に『基礎から学ぶハリ・漢方療法の実際』などがある。
  現在、日本整形外科学会専門医、スポーツ医、リウマチ医、リハビリテーション医、日本東洋医学会専門医、日本医師会認定産業医。1986年より鎌野病院院長。2022年より鎌野病院理事長。医学博士。

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