(メモ・感想です)
ごくごく少ない割合ですが、日本教に染まらず、自由に生きた方も日本にはおられます。"転向"して、大勢順応主義者になってしまった人も多い中、自由から逃げなかった勇気ある方々を紹介している、地味ですが、フツフツと本物の力が湧き上がってくるような良本。 惜しむらくは、西暦ではなく、年号を主に使っていること。年号は、歴史を振り返る妨げをするための日本教の手段。この本には西暦がふさわしかったかと思います。 斉藤隆夫・竹久夢二はともかくとして、山川菊栄・山本宣治・久津見房子・斉藤雷太郎(『土曜日』)・立野正一(京都のカフェ"フランソワ")・古在由重といった誠実な方々の名は初めて知りました。西村伊作(文化学院)は、中軽井沢のル・ヴァン美術館で存じてましたが、その名がキリスト教のアイザックから来ているとは!自由なカフェ、自由な新聞、自由な学校。 本当に表彰すべきは、こういった方々。メディアやクウキに流されて大勢の加害者の一人になるのではなく、著者やこの本の主人公たちのように声を上げていくことが、ちゃんとした人生を生きる近代人なのではないかと思います。 |