平面駆動なるものを知りたくて興味本位で買ってみました。NOBUNAGA Labs NLA-KFI 霧降にリケーブルしてバランス接続で聴いてみました。音場は広く全体にスッキリした音で押しつけがましい色つけが感じられません。ウォーム系の音色ですが透明感があります。どちらかというと SENNHEISER HD660S に近い感じですけど、HD660Sのような密度が高い音ではなく、少しフワッとさせて通りよくした感じの音です。巷には「音が薄い」という感想が見受けられるようですが、それもある意味正しいと思います。例えばメリハリのない古い音源だと、HD660S ならそれなりに鳴らすかもしれませんが、XS だと容赦なくそのまま鳴らすような気がします。それが「音が薄い」という感想に繋がるような気がします。手持ちの音源を色々と聞いてみてそう思えました。
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この価格では他にない大型ドライバで、お得感があります。平面駆動型にしてはゆったりおだやか、低音から高音まで素直にのびのびとした印象です。解像度はこのクラスとして普通です。1000SEと比べると高音の質が不安定かつ雑なのは仕方ないところ。例えば、ハイハットはただ喧しく、スティック捌きやペダルの強弱などの表現が聴こえません。18Ωとローインピーダンスにするため振動膜のプリント配線が太く短くなった影響でしょうか。音場は相当広いが定位はシャープでなく柔らか目、膨張タイプです。全体的に緊張感がなく、図太い聴き疲れしない音質です。
私は成人男性として標準的な頭の大きさですが、ヘッドバンドを一番縮めた位置で何とかフィットする状態です。頭が小さめな方は、フィットするか否か購入前に確かめてください。重さは、私は普通と思いますが、重いと感じる人もいるでしょう。イヤーパッドの感触はとても良いです。 このクラスにしては、本体左右のケーブルを差し込む部分と、ヘッドバンドのスライド調整部のプラ部品の強度が不安です。丁寧に扱う必要あり。多湿の日本ではプラと合皮部分のひび割れも心配。長期保管は避け、すぐ使い倒さねばもったいない。高出力のヘッドフォンアンプは必須です。 同社の上級機との差別化は音質、素材とも明確ですが、最上級機はかなりお高めで、本品のコスパは高いです。おすすめです。 |