※ネタバレは避けるので抽象的表現に終始します。
・作品について まず最初に私はいわゆるアニメオタクで、深夜のアニメは大概チェックしています。ピンポンという作品については「随分前に実写版やってなかったっけ?」という認識で、また個人的に湯浅政明監督作品はアニメーションとして凄いのは理解しつつ生理的に受け付けず苦手な部類に入ります。 「こんな今更な題材を、しかも湯浅さんかぁ」という事で正直最初から見ないつもりでいました。それが大いなる誤りであったのは1話を見終わった後です。と言っても最初の数話は「取り敢えず惰性で見続けた」程度なのですが、物語が進むにつれてそれぞれのキャラクターが織りなす人間模様や(原作より良く表現されていたとされる)苦手としていた筈の湯浅監督の演出アレンジなどに魅了されてゆき、物語後半から終盤にかけてはすっかりのめり込んでいました。 そして最終話のクライマックスで「あの曲」が流れてきた時、私は涙を堪える事ができなかった。例えば恋愛ものなり戦闘ものなり、「登場キャラクターが死んでしまう」という悲劇的な展開で見る者に涙を流させる事はある意味一番簡単だと思うのです。けれど(演出とBGMの効果が絶大にせよ)スポーツアニメの最後の真剣勝負で「悲しい」ではなく「感極まって流れ出す涙を抑えきれないほど」感動させる事に脱帽しました。 ・商品について この作品が単体ではなく最初からBOXとして販売される事は私にとって僥倖であり悩みの種となりました。何故なら2話程度の収録で1巻ウン千円という昨今の(下に俗な表現で好みませんが)「円盤商法」なら最初から諦めがついたのです。けれどBOXの分決して安い買い物ではないけれど実売価格は生々しいプライスで、しかもこの作品で大きなファクターを占めるBGMを収録したサントラが特典としてついてくる……(サントラを単体販売せず特典にするのも昨今珍しくありませんが)。 悩みに悩む事およそ2ヶ月。なんとか予算の目処をつけて購入しました。テレビアニメのBlu-ray(BOX)を購入するのなんてオタクを自負する割に滅多にない事です^^;; 取り敢えずBlu-ray(円盤)として作品をコレクションするという目的、ならびにサントラを手にするという目的を果たせたので値段分の元は充分に取れたと考えます。サントラの内容も非常に満足のゆくもので、正直私にとってはこれだけでもBOXを入手した価値が充分にあります。 ただごく個人的にはTシャツは要らなかったかなーと思いました。……太っているので着たくても着られませんorz。 決して万人ウケする作品でもありませんし、「萌え要素」なんか微塵もありません(念の為に申し上げると私は「萌えアニメ」も好物です)。けれどこのピンポンというアニメーション作品に「カッチブーなもの」を感じた方ならば、価格面を考慮しても購入して損はないと断言できます。きっと、ヒーローはあなたの元へ見参する事でしょう。 ご笑覧有り難うございました。 |