神達に拾われた男 7 （HJ NOVELS） [単行本]

シクム村での魔獣討伐に新名物の開発に、でも一番はスライムの進化と新スライムの捕獲と相変わらず忙しいリョウマ。ポルコ先輩の「リョウマはラインハルトの隠し子疑惑」は一番現状の説明が自然なんだよな。孤児が公爵家の庇護と寵愛を受け、魔力量も魔力制御も、物理戦闘力も従魔術のレベルも貴族レベルの高さで、エリアと仲が良くてもラインハルトが気にしていない（異母兄弟なら心配しないで済む）。あれ、こっちの設定の方が世間に受け入れられやすく、秘匿性も低い？

シリーズで変人・奇人はたくさん登場していますが、今巻では真正の変態が初登場。リョウマが人に頼る事が出来るように少し成長して微笑ましいです。

リョウマの探偵物語、捜索物語と見どころは多いですが、何といってもテイラー支部長が初めて仕事をして役に立った！という貴重なエピソード収載。ちゃんとおじいちゃんはリョウマに教える事があったのね。

リョウマ、街のお祭りで実行委員会にでも入っているのかという熱の入れよう。魔物討伐や新種のスライムも相変わらず登場し、新人冒険者の教官まで手を出してどこに向かっているのかと思いましたが、とりあえずとはいえ目標が見えて安心。

リョウマ、複数店舗経営の少年実業家として名を馳せる、の巻。スライムも新種が増えて、これからさらに賑やかになりそうです。テイラー支部長、影も薄くて影響力も少なくてそのうえ食も細いなんて…薄幸すぎる…

スライム一本でやっていくと思っていたリョウマが新規魔物と契約、そういやあ高速移動はさすがにスライムには無理だよねーと。洗濯店を開店するのに店舗建築から始める子ども・・・何気に周りも驚いてるけど受け入れている。暗殺者コンビは今後そっちの仕事もするのかなあと期待。

温厚なリョウマが弱い者いじめをする不良を絞める、ゴブリンたちとの集団戦で魔物を惨殺となかなかハードなエピソードもありながら、変わらず全体としては優しい世界です。公爵家がパトロンになってくれるのを辞退する子どもなんてリョウマくらいでしょうね。

スライム研究と冒険者、洗濯店経営と相変わらずの過労死しそうな仕事量の日常を送るリョウマ。それに更に新しい仕事（事業というか）にも取り組み、反抗期なのか良い人一辺倒だった心境にも変化が・・・シリーズ初の悪役も加わり今後の展開が楽しみです。

TVアニメで作品を知り、世界観やキャラクターが気に入り原作を知りたくて購入しました。アニメの方は可もなく不可もなくという感じですが、原作は丁寧に異常な日常が描かれており、とても気に入りました。キャラクターが強烈な人がいない分、常識人な主人公も他キャラに埋没することなく活躍しています。主人公のリョウマが良い子なので、弟に欲しいくらいです。読んでいて面白いキャラは数多いけれども、身近に居て欲しいと思うキャラは少ないと高名なブロガーさんが仰っていましたが、まさにその通りと思いました。