前作は『寂しい歳男がどう生きるか』という個人の物語でしたが、
今回は多分に『社会風刺』が入っています。 ホームレスまで転落した時に見えてくる様々なものに対する。 そういうのが好きじゃない、という人は今回は「なんかチガウ」と思うかも知れませんが 何だかんだで黒沢してます。ただ風刺は客観視の物語になってしまうので、黒沢個人の活躍は現状少ないです。 極端な話、黒沢じゃなくてもいい。でも黒沢の続編であり黒沢というキャラクターが立ってなければ 同じ話であっても特に誰も見向きもしなかったでしょうし。 個人機にはやっぱり、黒沢には「きちんと戻る場所」が用意されたままなのが気になります。 「勘違いでホームレスをやっている」と、それを最後に持ってくるのか? それとも途中で潰すのか? 1~2巻の迷走が少々激しかった影響の残滓ですかね。 ただとりあえず、やはりなかなか無い毛色の作品なので、笑ったり考えたりしながら読めます。 |
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今巻は「お、これこれ」と思わず言ってしまう黒沢クオリティ。
前巻というかスタートがアクロバットだっただけに 終わり際にちょっと方向性がダレてきた感があったものの、 持ち直してくれて何よりです。 孤独な自分哲学で悶々とする、しかしそれが何か刺さる、 ほーいいじゃないか、こういうのでいいんだよこういうので。 そしてこのくっだらない案件で巻をまたいでヒキになるのもまた黒沢クオリティ(笑)。 |