土方組の修学旅行感は異常。ビールで酔って枕投げしたり白鳥鍋を深夜に盗み食いしたりワイワイガヤガヤ楽しそう。第七師団があんなんでドロドロぶりが目立つだけにこちらは男子学生の部活合宿みたいです。平均年齢は倍以上あるのになあ笑
左打ちに転向せざるを得なかった尾形の特訓ぶりと折々の狩の獲物に一喜一憂してくれる土方組のメンバーたち。多くは語らないけれど居心地は悪くなかったのかな。 そして伝説のシマエナガ回ですよ・・・。X(旧Twitter)のシマエナガアカウントからの出演希望のラブコールを受け、「チタタプはいや!」にも応じまるまる一話を使ってディズニープリンセスのように野鳥と意思の疎通をはかる杉元が描写される。雪(ウパシ)の鳥(チリ)ことシマエナガが可愛くて可愛くて読み手がニコニコしているうちにドラえもんパロディあたりから不穏になりはじめ、ついには・・・。 シマエナガアカウント、あれからずっと作中命日(雑誌連載された日)に杉元宛にメッセージを発しているところまで含めて美しい芸術作品のようです。怖すぎて笑う。 本巻MVPは家永。杉元の脳をつまみ食いしていたけど不死身にはなれていないだろうし過去の悪行がひどすぎてこんなに美しいシーンを用意されるなんてやはり可愛いは正義ということか。合掌。 |
菊田さんの菊田が見えたり尾形くんの尾形が見えたりいろいろ大変なことになっています。
そして尾形にハサミを持たせてはいけないと読者は再認識したことでしょう。 モスパパねらいで薩摩のボンボンに仕掛けられた罠の詳細が描写され、甘い嘘で引っ掛けるけれども釣った魚に餌をやらない鶴見の抜かり具合が顕著になります。てか普通に言えばいいじゃんねえ。死刑になるからできないか。ははッ キロちゃん、と涙ぐんでいるところに岩息で愁嘆場の雰囲気消滅。ガンソクの陽の気の強さは異常。 やはり力・・・暴力こそすべてを解決する・・・!(解決しないから入牢していた笑) 本巻のMVPは平之丞さん。おそらくは弟の音之進の頭をなでようとしているところなのでしょう。慈愛に満ちた瞳でまっすぐに弟を見つめている。優しすぎる笑顔です。わずか21歳で戦死した軍人の、なんと穏やかで切ない笑顔か。こんなふうに慈しんでくれた年の離れた兄を失い、それによってすべての感情表現を亡くし無反応になってしまった父。ある意味で父まで失ってしまった鯉ちゃんは荒くれ者になり寂しさをまぎらわせていた。 部下は戦士してもOKで愛息だったらショックなのか。残った息子をより大事に育てあげようとできないほどに心の傷は深かったのか。作中では珍しく人格者として表現されているモスパパの士道不覚後ぶりが気になる自分は鬼でしょうか。 本巻のMVPはいわずもがなの月寒あんぱん。北海道のアンテナショップや通販で入手できるのでぜひお試しあれ・・・です! |
鯉登の成長が著しくさしもの月島もやっと洗脳が解けるのか、からのコレですよもうやめろー(泣)
鶴見との会話部分が猛烈に修正されていて賛否両論が最大値でネットの大海を吹き荒んでいたわけですが、うーんどちらも捨てがたいし、最初のエンカウント部分を加筆でクソガキ化これまたMAXにされた鯉ちゃんには、鶴見に押し負ける連載パーツよりもきっぱり言い渡し「最初に戻って」素直な気持ちを伝える加筆パートのほうが、意味が通じているというか、イイのでは、と思いました。 しかしここまで明確にアレされたら鶴見だったら消す方向でただちに動くか月島に撃たせるのではと思うのですが読みが浅いってことですかね。わからないです何もかも。 都丹さん。。。 いちいち「フチに借りを返せた」と口にするゲンジロちゃん、損得で動き貸し借りをきっちり覚えている利己的な印象を受けるんで言わせないほうがよかったのでは。彼の行動原理が人助けにある、と言葉によらずに受け手側に理解させるのはだいぶ前に終わっているステージだから。え、フチに借りがないとゲンジロちゃんの主観でそう判断していたら来なかったわけ? 助けなかったわけ? と引っかかる。何回読んでも引っかかる。 土方さんの行動原理の中でアイヌの恩人への恩返し、も大きな要素だったろうし作中でも明確に本当に無私だったからゲンジロちゃんが小人物に見えてしまった。口に出して言うことで自分を鼓舞していたのかもしれないけれど。 あらゆる観点から完全に詰んでいる尾形が、こと狙撃となると完全に正しい動きを取って確実に対象をしとめていくのがものすごく怖かった。いやおまえそこまでぶっ壊れているのに射撃になるとそこまで精密に考え予測し動けるのかよ、と。そして片目をつぶされ右目右手撃ちから左目左撃ちでもとんでもない精度で殺人ができるよう「狙撃手は人を撃ってこそだ」と厳しく自己を律し続け「戻って」きた尾形が悲しくて怖い。 ペコちゃんみたいに舌が出て見えた口(笑いで唇が歪んでいただけ?)を修正してもらえてよかったです。狂気度最大出力ですべての言動が嘘くさくなってしまうから。完全にやべぇ奴だった。いややべぇけど。 本巻の、いや本作のMVPと言いたいのがソフィア姐さん。アシリパさんに最後にかけたあの言葉は登場人物たち全員にかけられた呪縛を解き、読者をも呪縛から解放してくれたのではなかろうか。 思想や理想、罪悪感にがんじがらめに縛られまくっていた姐さんだからこそ、放たれたあの叫びがまっすぐに突き刺さる。 辛すぎて「はいカット、OKです~、ソフィア役の○〇さんクランクアップですおめでとう~」と助監督あたりが宣告しでっかい花束を拍手の中笑顔で受け取る女優さんをイメージして自分をごまかしています。 |
分 厚 い
求め搜し続けていた近藤さんに再会しちゃった、ということは? うああああ土方さああああん からの うあああああ牛山さああああん からの うあああああ尾形ああああ からの 勇作殿おおおお からの リパさああああん からのクソデカボイスで杉本おおおおおおお 以外なんも言えねえ やべーよこの漫画 超面白い 杉元VS尾形のシーン、血しぶきが複数個所でハートになったり映画「魔界転生」で話題になったアレとかが加筆されているんですけどなんというかBL的な意味ではなくて作者が「恋愛漫画です」と語った意味とリンクして情動がやばくなりました。魂と魂の激突が互いを抹殺することだったのがとても悲しい。それはひとしく他国の人とも。 |
推しが推しを撃ったり刺したり××(未遂)させたりとんでもない内容でファンの人たちは阿鼻叫喚だったのではないでしょうか。いやもう感情闇鍋ウェスタン、読者の表現を公式が採用した例ですが妥当すぎてほれぼれします。
ネタバレせずにレビューを書く努力を放棄して、とにかく展開がすごすぎる、とだけ書いておきます。 本巻のMVPは膨大な量を収納できていた白石の膀胱。すごいよアンタ・・・(白目) |
前半の家永パートよりも後半の茨戸の土方&長倉パートはずいぶんワイルドでホラーっぽい絵柄です。陰影のつけ方がダイナミックで遠慮なく色濃い影が落ちている。
拷問・解体・人肉食やりまくりの家永よりも人体損傷、損壊がリアルですごく痛いです。 日泥のおかみの外見が完全にジョジョの世界の住人で(特にあの眉! あのカーブは荒木神の世界の住人のはずだ笑)どんなスタンドを使うのか楽しみでしたがただの無神経なオバでした。 親子の確執が一番大きなテーマかもしれないが、本巻は人物たちの言動のゆえんがまだ明かされていないため、再読、四読してああそうか、と腑に落ちてくるかもしれません。 土方さんの好物のたくわんを細かく切ってのせたお茶漬けが美味しそう。たくわんボリボリができるってことはこんなお年でも歯が丈夫ってことですね。ロウソクボリボリの鶴見に十分張り合える。 尾形にハサミを持たせると・・・第一弾。解放されてご機嫌なのかやたらハイテンションな猫ちゃんが素敵です。尾形の立場だと当時の陸軍では丸刈りのみのはずなのにツーブロックにしたのは作者によると解放感からだそうですし。がっつり撃たれてやぐらから落下しているのにスルーしているのもすごい。キャット空中三回転を繰り出したのに違いない。 本巻のMVPは「アシリパの叔父だっけ?」を繰り出したキロランケニシパ。あの緊迫感を一気にグダグダにしたのはさすがです。キロちゃんも謎大き男だったけれど秘密を明かさず自分の意思でさじ加減をうまく操っていたのがクールです。 |
作者によると接近戦も強いはず・・・の尾形がよく生きてたなレベルでボコられて杉元に助けられる。このとき「なんだよお礼を言ってほしいのか?」ではなくて「おまえ強いな助かったよ」とかウソでもいいから言っておいたら杉本だって「よせやぁい」で後の展開は違・・・わないか。ままならない。甘い嘘はどうせバレるし。いやでも強いのは本当だから嘘じゃない。家永への待機勧告とか土方さんの推測に即決で賛意を示し率先して打開策を実施するなどいざ実務? になると即断で最適解を導けるのに対人コミュニケーションだとボロボロなのが本当にしんどい。
そしてお返しに杉本を救ったことは気づいてももらえないんだよなあ。しんどい。 ヤマシギをとったことだってなんでボロクソな扱いなんだろう。みんなにじゅうぶんいきわたる量にしてくれたのに。 ×アイヌのコタンでもいち早く「正解」にたどりついているのになあ。 と、有能なのにぼっちとか仕事ができるのに評価されないとか、さしずめ鬼滅の水柱のような不憫さです。相当だぞ。 気の毒すぎるので本巻のMVPは尾形です。オガタ、イキロ・・・。 |
カバーイラストは躍動感あふれる門倉とキラウシの疾走シーン。おとぼけコンビは汚い杉リパなどといわれて大人気ですが本巻は二日も居場所がわからなくなってしまった土方さんと牛山さんを探して活躍します。よりによってなぜ最強のこの二人が、という謎解きに挑む門倉が妙におかしい。彼の凶運ぶりを丹念に描くことでしかわからないより重大な展開がのちに控えているという。
心配する門倉さんがめちゃくちゃ可愛い。衒気にあふれるダンスィなのに監獄の職員に何十年も剣道を教えるようなお師匠キャラ、しかして土方さんのことになるとひたすら可愛くなっちゃう関係性、いいですよね。 ここでは書けない仇名の牛山さんがアイススケートの妙技を連発、ボーイタノというセリフは偶然だとは作者の弁。いや絶対ブライアン・ボイタノですよね知ってますって笑 自由自在に筆を走らせ疾走していく野田カムイ、一見迂回路めいているエピソードが後からなるほど!となってくるのはさすがです。一切描写がないけれどたとえばチヨタロウくんは果たしてえご草ちゃんことチヨさんの御子息なのか? 深読み妄想もはかどります。 鶴見中尉の過去もいよいよ明らかになってきます。個人的にはおまえが×××だったからそういうめぐり合わせになったのでは? と少々疑問なのですが鶴見さんも×××になるには××すぎたということでしょうか。 本巻のMVPはカバーイラスト裏側の自然の描写です。澄み切った空と湖の結氷の冷たさ寒さとの対比、野枯れた植物をゆらす風まで感じられるような透明感、素晴らしいです。わりと油彩よりの色使いのカバーイラストが多い気がするので、清潔で透明なこのカバーは大好きです。 |
伝説の姉畑回がやっと終わったと思ったらこれまた伝説のラッコ鍋回とさらに伝説の宇佐美時重のサイコバスぶりが大爆発、かーらーの全裸闘争回導入とものすごい内容です。
カバーイラストが妖艶な謎の美女、神秘の占い師インカラマッちゃんでなかったら誰をもってきてもヤバかったのではないでしょうか。いっそシスター宮沢にして中和するとか神の免しを願うとか。うう。 ひとに勧められない理由と人に薦めたい理由とがいずれもてんこ盛りなので参りますね。 アシリパさんがオソマと勘違いしている味噌を食べたのにひき続き、何よりも嫌っている蛇を杉元を救うため手にするシーンが超感動感涙シーンのはずなのに変顔の連発で見ていて情緒がヤバくなる。表情だけでその気持ちや感情やなぜそうなっているのかの背景や人格的内容まで一発で読者に理解させられる画力と説得力がすごいです。 漫画って「絵」でわからせるもの伝えるもので、文章でいちからじゅうまで説明するものじゃなかったよなあ。 漫画でありながら「行間を読ませる」手段を備えている、プロ中のプロが野田カムイ。 ある意味で手塚漫画のような完全なデフォルメではなく写実に限りなく近いのにそのリアルさの中に虚構をすべりこませて納得させてしまう表現方法がまさに神技。 前作『スピナマラダ!』が打ち切りってほんと信じられないです。 本巻のMVPはキラウシ! 言動が幼女といわれるまえのかっこよさとコタンを背負って立つような苦悩する姿がまだ成人男性です笑。蝗害によって飢えに苦しむコタンの人々を救うためやがて出稼ぎに出る理由がここにあったんですね。 |
同担拒否劫火ガチ×勢の犬童がヤバいです。推しを30年もとらまえていじめ続けるってなんだろう。×の中に入れるべき形容がわからない。恋、ではヌルいんですよ恐ッ! 執着というか、、、戦士した家族の尊厳のためにとか理屈をつけてこれもうあなたのシュミですよねっ!? 恐ッ!
カバーイラストの土方さんがカッコよすぎてトシ様・・・(尊死)になってしまうところに裏にやべーのがいるんですからほんとやめて。 132話の塀に手を当てて照明弾の中を歩くトシ様なんてもうモデルでしょこれやばすぎる。 立て続けに出来事が積み重なり漫画内同時多発テロみたいになっているところに門倉スイッチきたー! からのいや尾形ああああおまえなんてことをこのこじらせキャットぉおおって情緒がかなりおかしくなります。 嫌いな人は決定的にここで嫌いになっただろうし。絶許すぎる。 でも杉元の不死身さに絶大な信頼をよせている自分はまあ大丈夫じゃろといろんなことから目をそらして読み進めました。いやもうなんでこういう・・・そして弩級の衝撃場面だったココからさらに想像を絶する展開になり、という野田カムイの名采配。天才でしょ知ってたけど。 本巻のMVPは牛山さん! ここでは書けないあだなの素敵な紳士! かっこええ~。 |
カバーイラストは8巻に続き二度目の尾形。作中では一度も見せていないような雄渾かつ激情のほとばしる姿態です。そして裏には兄さま大好きな勇作殿が。
イマジナリー弟くん、本巻のみならず姿を見せ幽作殿なんていわれてましたが最後までいったいなんだったのか明示されず。出血も左右どちらの目でも表現されていて考察がはかどって仕方ないですよね。 樺太国境をどう通過するのか、日露戦争延長戦のスナイパー対決が凄まじい。 トナカイがモフモフニコニコして見えて射殺されるのが悲しくて、白石のやめろー!が本当にリアルです。おとなしくてとても役に立ってくれるのにマジやめろーです。 このへんのヴァシリは冷徹で残酷で殺人マシーンっぽかったのにあとあと頭巾ちゃん化したのは、やっぱり××されてあ、俺やっぱまだまだだわーって一気にヤカラ感が抜けたってことなんですかね。年齢も大幅に低下してどう見てもいつもウキウキ人生を謳歌しはじめた感じです。なんならオガタのこともすっぽ抜けてたりしたしなあ笑 白石のセリフで連載中はあったのにカットされた「尾形がこうなっている今しかねえ」、どうしてだろうと思ったんですがキロちゃんの「俺から【逃げる】必要なんかないんだぜ」がより生きてくる、と後になって感心しました。 キロちゃんはええ男や。仲間思いで優しいし大らかでのんびりしていて、××××の過激な思いを普段はぐっとうちに秘め、大人(たいじん)の風(ふう、風格)がある。デブ女好きデースと世界のふくよかわがままボディのレディたちを救済したしな。しかしてファンブックでえげつない物マネをしてみせて難攻不落と思われていた土方さんの高潔イケおぢ牙城の一隅を破壊してのけた。さすが工兵、日露戦争でハッパかけてた人は違う(震え) 心が戦場から戻ってこられなかった描写がされる杉元の鬼か悪魔かのバーサーカーモードを醒ますアシリパさんの小さな手とそれに涙する杉元の「本心」ともいうべき優しくあたたかい「心」が刺さります。だよな、行きたくなんかなかったよな戦争なんて、殺し合いなんかしたくなかったよな、それに涙する柔らかい優しい心はいまもなおおまえの中にあるんだよね、思わずもらい泣きですよ。家族全滅から飢えに苦しみ軍隊にしか居場所がなかった。飢え死にしなくてすむから志願兵にってこれたったの百年ちょっと前の話ですよ・・・。 本巻のMVPはスヴェトラーナの両親です。助けてくれてありがとう~。 チョロチョロと掃除も手伝わず月島のお掃除を至近距離で見てるだけだった鯉登のボンも結果的に役立ったからヨシ! |
白石が杉リパコンビからの信頼を示されて涙ぐむところにホロリとさせられました。杉元は白石とエンカウントした当初から命を助け合うバディっぽかったし爽やかニシパ(老)チームがまあ・・・いいか・・・で見捨てかけたときもひとりだけ助けることを主張した。信頼を託し、託された信頼に応えようとシライシらしからぬ配慮をリパさんに向け続けてきた白石も成長率ナンバーワンの呼び声高き鯉登くんに負けないほどの急成長。ほんといいヤツです白石は。
杉元に利き腕をベキベキにねじ折られ銃を後頭部に激突させられ岩で顔面を強打し真冬の河に落下し自分で這い上がるもだいぶん後まで発見されずもう少し遅かったら落命していたはずの尾形もだーーーいぶ不死身ですが、その治療の過程でとんでもないやりとりがなされていた過去回想がヤバいです。 この世で一番相談したらアカン相手に本音を吐いて あんなこと になった後もこうしてイビられ・・・宇佐美はオタクに厳しいギャルと思っておけ、近づいたらアカンのよ、同担拒否強火ガチ恋勢だ。 本巻のMVPは啄木・・・に感涙を浮かべてからの華麗な手のひら返しをみせたガムシンです!次点で鯉登のおもりをがんばっている月島軍曹。大変だ、いろんな意味で笑 |
頭巾ちゃんがモノローグの中ですらフンフン言い出しててヤバかったです。君そんなキャラだったっけ。可愛いからいいけども。
タイトルコールきたーーーと読者全員がこぶしを握ってうおおおおおってなったのではないでしょうか。いやおまえが言うんかい! 本巻は鶴見劇場大詰めでこれ子供がみたら泣くだろうってくらい怖いです。18歳以上推奨の雑誌で連載されててほんと良かった。大人でも泣くかもしれない。そんな鶴見の前でアシリパさんがまぁ大人なんですわ。さすがヒグマをはじめありとあらゆる猛獣をしとめてきたリパさんです。しかし鶴見やら尾形やらの八つ当たりをガンガンぶつけられて本当に気の毒です。金塊は人を狂わせる。アシリパさんは最初から欲しがってはいなかったというのが泣けてきます。 鯉登くんまわりは雑誌連載分からずいぶん加筆がなされていて、本巻の月島とのシーンでも大幅な変更がありますがスッキリわかりやすくなっており、作者の意図した効果がより発揮され終盤でも重要な要素がより引き立っています。 キロランケニシパの苦悶が悲しい。だよなー、わかるよ、だけどなー、という苦悶を読者も強いられます。 非実在存在のはずなのに感情移入が容易すぎる。苦しい。切ない。キロちゃんーーー!!! 本巻のMVPはソフィア姐さん! がんばった!辛かっただろうにものすごくがんばった! 苦しみ続ける中でキロちゃんが言ったようにめちゃくちゃいい女に、いや人間になった! 世界の先住民族が自称する名乗りの言葉はほとんどがただ「人間」を意味し「アイヌ」も「人間」のことだという。そういう意味で高位貴族のお嬢様がただ「大儀」のために立ち上がりすべての個人的な幸福を捨てて励み続け、そして今ここにいる姐さんはまさしくめちゃくちゃいい「人間」だと思います。 ウイルクめ、、、ヒンッ! |
杉元の過去回で意外な事実が明かされます。ネタバレさせずに感想をつけるの無理ゲーすぎて意外!面白い!まさかの!展開!と何ひとつ意味しない単語を並べるしかなくなる。
作者は何食って生きてたらこんなに面白いストーリーを考えつけるのでしょうか。 圧倒的な画力から繰り出されるドラマの数々。 通奏低音のように流れるテーマが複数あり、自立もそうだと思うのですが本巻は女性の自立のひとつの過程をみることができます。社会からはみだして自分の人生を選んでいくとき、自分ひとりの力ではなく支え励まし信じてくれる<誰か>の存在は必要だよなあ、と。そして歩み出した人の姿を世人は悪くとらえるのが好きだよなあと。 欲にまみれて殺伐とした展開の中で見られた彼女のひとつの「戦い」、男性陣が肉体的に血しぶきをあげるなかで精神的な血潮を越えて生涯続けられるのだろうと胸に迫るものがありました。 そして「過去が追い付いてくる」こととその結果何を選び取るのかが本巻のテーマなのかなと思います。 MVPは××の判別方法に気づいたアシリパさん!さすがです!! |
ネタバレにならずに書評を書ける人ゼロ人説
アシリパさんがついに金塊のありかをも上回る「結論」を出し、杉元が1巻でしていたことの伏線を回収! 怒涛の迫力で物語は一気に加速していきます。 めちゃくちゃ面白くて何回読み返したかわかりません。これを週刊連載していた野田カムイはマジ神です! 本巻のMVPは爽やかニシパとガムシン!!!! |
カラー表紙は菊田さん! 登場人物は全員ファンがいるようだけどイヤって感じる人もいる、だけど菊田さんを嫌いな人なんていないよね? 大人のシブさ炸裂、有能で優しくて面白くて、だけど扱いがぞんざいで年下の自分より低い階級のがきんちょ兵たちになめられまくり。そういうことに拘泥しないで平気で相手にあわせていくのもかっこいい。
ただ×××には向いていないよ菊田さん。優しすぎるんだもの。 外見のモデルがブラッド・ピットということで大人の魅力爆発ですがカラー扉絵も負けじとばかりに薩摩のボンボンと月島軍曹がニラミ(物理)をきかせてきます。本当にすべてのキャラが立っているなあ。 海賊ボウタロウに悪い意味でどきどきさせられました。 両手の描写が印象的なので某チェンソーマンのマキマさんのように目隠しした罪人に「杉元佐一と言いなさい」と命令しだすんじゃないかという豹変っぷり。こういう陽気でひとなつっこいのに酷薄な人が個人的には一番怖く感じます。なにが地雷かわからないしいきなり殺意を向けられそうで。 明治時代の設定なのにボウタロウだけはすごく現代を感じさせられます。 直面させられた悲劇の克服方法がなんというか近現代の自我を持つ人が導きだしそうな結論で。 明治の孤児はあきらめて日を過ごすのに精いっぱいでボウタロウのように悲劇を再生産する気力も手段もなさそうで。 彼も極悪人なのになにか心がしーんとなって、自分の孤独を改めて見つめ直してみたくなる。 ところでとはいえ男女問わずめちゃくちゃモテそうだから(実際外人のオッサンにも親分にもモテてたし!)夢がかなった先では孤独を癒すどころか多人数間で愛憎入り混じって蟲毒になりそうって尾形みたいにダジャレが出ちゃった。 本巻のMVPは郵便配達人をご機嫌にさせてあげた頭巾ちゃん! フンフン! 宇佐美のアレはノーコメントで(クソデカボイス) |
カラー扉絵がレトロで斬新でかっこいいです。カラー使いとシルエット、めっちゃええやん! 購入者にしかわからない驚嘆ですね。
辺見ちゃんがいじらしいまでに煌こうとしていてヤバいです。杉元って中年男性に妙にハートフルに優しくなりませんか。やはり京都の似合うてはるよおじさんとの間に何かが彼に……? でも杉本を「やさしい」って感じたおぢは全滅している。ヤバい。 レプンカムイがめちゃくちゃいい仕事をしたあとで××られているのが衝撃でへんな笑いがもれました。 うん、生きるってこういうことだよな! アシリパさんの和名が判明したり、重要なキーに近づいてきた感がすごいです。まだ5巻なのにもう5巻、読み終えるのがもったいなくてだけど先が知りたくて情緒がおかしくなりながら全速力で読みました。これからも繰り返し再読すると思います。面白い~! |
作中屈指のイケジイこと土方歳三がカラー表紙! 表紙なのに登場するのは54ページ目からなんですよ。どゆこと?
こんなにかっこよくてでっかい夢を持っていて会う人みんな魅せられるのに近藤さんを求めているのが泣けるんです。あんなチンピラにすら、ってのが哀しすぎる。 永倉さんが近くにいていいコンビに見えていても探しているのは近藤さん。切ないなあ。 手負いのユクに傷ついた自分を重ねて見てしまう杉元の動揺と対照的にカラリと明るくなんにも考えていませーんアッパララッパ~ってかんじで疾走してくるレタラの爽快感と美しさ。いや彼なりにめっちゃ考えていると思いますけど、あまりにも迷いなく穢れなく清らかで、野生のままに生きていく強さとか仮借ない優しさとか激烈な動きとか、ここでも対比のすさまじさが刺さりました。不死身っていわれるほどリミッター振り切って暴れても心は人間だから傷つくよね。まして杉元は乙女成分が濃いからね。 壮大な物語のプロローグなのに映画15本くらいの満足感がありました。いやーめちゃくちゃ面白いな! |
ヒキがすごすぎて1巻からのハラハラドキドキがさらにエスカレートするかんじですね。
週刊ヤングジャンプ連載時に担当編集者さんがつけたという扉ページや次週予告などの惹句はファンは読みたいし再録が無理ならファンブックとか画集などにのせてほしいといまだに言われているくらい秀逸でした。作者によると連載当時の時事ネタは古くなるとわからなくなる、本作は50年後、100年後も読んでほしいから削除したと。 だけど「ふたりはカケトモ」とか失礼ながら本作の前の自作品のセルフパロディとかが本編内にあるじゃないですか。 単行本にするときに猛烈な加筆訂正をすることで内容をブラッシュアップし至高のレベルにグレードアップをしてくださる神のような作者ですが、創作活動の一環として既発表形態をも残すというのはひとつの義務のような気がします。 単行本が完全作、というのは心底理解できるのですが。 とかなわぬ希望というか欲望むきだしでなんなのですが、各陣営の現状を描写して局地的にパワーバランスをひっくり返してみせることで、では「本隊」では? とか「黒幕」は? とか、各自の動きの裏にある思想を知りたくなるようにすごくうまいナビゲーションが仕組まれている本巻です。 最初から巨大なスケールの物語が幕を開けたぞ、そのスケールの説明のための対比だぞ、というワクワク感がすごいです。 何回読み返しただろうか、まったく色褪せずそのたびに面白い。全巻大人買い、近頃こんなにいい買い物はなかったなあと満足です。 本巻のMVPは「いくつになっても男子は」の土方さん! のちに土方さんだけを集めたオムニバス小説の表紙に転用もされていましたね。シビれるクールさです。 |
カバーイラストはキロちゃんです! かっこいい~!
本巻はキロランケニシパが大活躍。馬を愛する男の見せ場たっぷり。読者をあっといわせる伏線がここでもビシバシ張り巡らされる。最初に何をどこまで考えて執筆に入られたのか本当にすさまじい力量だと思います。 ~からーーーの~「親分と姫」!!!! こんな純愛がありますか、泣ける泣ける笑う笑う。 緩急の付け方や静動の巧みさや最後の杉元のセリフまでまさに感情闇鍋すぎますよ。めっちゃ面白い! |