徹底解説!登山リュック・ザック特集

登山、ハイキングに欠かせない登山向けのリュック(ザック)を大特集!選び方のポイントも解説していますので、はじめて買う方も必見です!
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登山リュック・ザック特集
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ザックは登山の心強い味方

山の中を歩いて自然と触れ合ったり、山頂から臨む絶景を目指して登山道を頑張って登ったり、山の中で調理をして美味しい山ごはんを堪能したり……登山やハイキングは自然の中で日常とは違った解放感と充実感を味わうことができる楽しいアクティビディです。

そんな登山やハイキングを始めるなら、まず購入を検討したいのが登山リュックです(登山向けのリュックやバックパックのことを「ザック」と呼びます。
(以下本ページでは「ザック」と呼び方を統一させて頂きます)

そもそもザックはなぜ登山やハイキングで必要なのでしょうか?登山向けの「ザック」とタウンユース向けの「リュック(デイパック)」では何が違うのでしょうか?
デイパックで登山をしてはいけないのでしょうか?
まずはこのような、ザックの特徴やその必要性について解説していきたいと思います。

ザックの役割

ザックは「登山靴」「レインウェア」と並んで登山における三種の神器の一つに数えられるように、登山・ハイキングにおける最重要装備と位置づけられています。

街中の道と違い、不安定な足元の中を登り下りする登山において、ウェアなど体に身に着けるもの以外はザックの中に入れて背負って持ち歩き、両手をフリーにしておく事が安全面において重要なポイントと言えます(歩行を補助する目的で使うトレッキングポールやピッケルなどの道具は除く)

例えばご自宅の近くのコンビニ帰りのような、ビニール袋を手にぶら提げて山登りをしたとすればどうでしょうか?
片手が塞がっている状況で斜面を下っていてバランスを崩したら、とっさに受け身を取ることは難しいですし、動きの中でビニール袋が左右に揺れて歩きにくいことは想像に難くないと思います。

「登山やハイキングに必要なものを、なるべく安全に、なるべく体に負担をかけないように持ち歩く」これこそがザックの役割だと言えるでしょう。

ザックの特徴【デイパックとの違い】

先ほどの項で「両手をフリーにするため荷物は背負って持ち歩く」といったことを書きましたが、「それなら普段街中で使用しているリュック(デイパック)でもいいのでは?」と思われる方もいらっしゃると思います。

確かに「荷物を入れて背負うことが出来る」という点において両者は同じと言えます。実際に、自然散策や低山里山ハイキングなど、比較的安全性が高く難易度の低いコースでは、普段使用されるようなデイパックを背負って歩かれている方もいらっしゃいます。

ザックとデイパックの違いとしては、ザックは登山やハイキングで使うことを前提に作られているため、「より体にフィットして背負うことができて、登り下りでもザックが揺れずに歩きやすく、各種登山装備を効率よく持ち運べる構造になっている」点が挙げられます。

以下に、登山向けに開発されたザックが持つ特徴の中から代表的なものをご紹介いたします。

【高いフィット感】

長時間背負ったまま活動することを前提に設計されているので、クッション性のあるショルダーストラップやウエストベルトでしっかりサポートして揺れにくく、体にかかる負担を軽減できるのはデイパックに無い魅力。

【サイズ・性別】

身長(背面長)に合わせて複数のサイズ設定しているものや、背面長を調整できるもの、男性・女性用でショルダーやウエストベルトの設計を変えているものなど、体型や性別に合わせたサイズ選びが可能なモデルがある。

【雨蓋付きモデル】

一般的なデイパックでよく見られるファスナータイプではなく「雨蓋」と呼ばれる部分でフタをしているモデルも多い。雨蓋は防水性を高める効果がある以外にも、使い勝手のよいポケットを設けることもできる。

【登山装備を収納】

メインルームはパッキングしやすいようにシンプルだが、外側にはトレッキングポールやピッケル、ヘルメットなど、登山ならではの装備を持ち歩けるよう、各種アタッチメントやループが設けてある。

ザックにも多種多様なモデルが存在しますのでこれらの特徴が全ての商品に当てはまるわけではありませんが、共通して言えることはデイパックよりもサポート力と機能性に優れたザックの方が快適かつ安全に山歩きが出来るという点です。
これから始めたい方も、いままでデイパックを使用していた方も、この機会にぜひザックの購入を検討してみてはいかがでしょうか?

タウンユース向けリュック(デイパック)特集のご紹介

通勤通学やビジネスシーン、普段のお出かけなどのタウンユース向けのリュックについては、「リュック・デイパック特集」でご案内しております。ぜひこちらもをご覧ください。

アウトドアブランドのデイパックは、スマートな外観に加え、アウトドアのフィールドで培ったノウハウもしっかり取り入れていますので、背負い心地に優れ、各種ポケットなども機能的で、耐久性にも優れタフに使えます。
種類も豊富にご用意してありますので、ザックと一緒にデイパックもご検討下さい。

ザックの選び方

ザックの特徴や役割を解説させて頂いたところで、次に実際にザックを選ぶ際のポイントをいくつかご紹介させて頂きます。

選び方その①:容量を考える

まず考えて頂きたいのは、どれくらいの容量のザックを選ぶかです。

ザックの容量はL(リットル)で表示するのが一般的で、容量が大きいザックほど中に沢山の荷物を入れられて、外寸サイズも大きくなっていくことを表しています。

ご自身の山行スタイルや環境によって適切な容量の選び方は変わってきます。

・日数(日帰りか1泊以上なのか)
・季節(寒い時期も考えて選ぶか)
・自炊の有無(食材や調理器具が増える)
・交通手段(電車・バスなのか車なのか)
・ザックを複数使い分けるかどうか。

このようなポイントを総合的に考えながら、購入するザックの容量を決めていきましょう。

容量(目安) 山行スタイル コメント
(基本的には夏季を想定したコメントです)
20L未満 ハイキング/自然散策 街中に近くコースタイムも短い低山里山ハイキングや、観光地の遊歩道を歩く自然散策など、直ぐ街中に戻れる環境であれば手軽な荷物での山歩きも可能です。
スピードハイクやUL日帰りハイクなどの山行スタイルの方も小型ザックを選ぶ傾向にあります。
20~25L 日帰り登山/ハイキング 登山の最中には不要となる下山後の着替えを車に置けたり、コインロッカーを利用できる環境であれば、夏の日帰り登山なら20L前半でも十分対応できます。
ただし自炊をする方や持参した荷物を全て背負う必要のある場合なら、もう少し大きい容量を検討してみてもいいでしょう。
25~35L 日帰り登山/山小屋泊1泊 30L前後の容量というのは、日帰り登山から山小屋1泊程度まで幅広く使えるサイズですので「色々な季節や場面で使えるザックをまず1つ持っておこう」という方におすすめです。ちなみに富士登山においてもこれくらいの容量が推奨されています。
35~50L 山小屋泊/ULテント泊 縦走などで山小屋に2泊以上される方や、避難小屋泊をされる方はこれくらいの中型ザックが必要になってきます。また、小型軽量のテント泊装備で固めたUL(ウルトラライト)テント泊スタイルの方も50L以下のザックで対応可能です。
50~75L テント泊(夏季) 一般的な装備によるテント泊では50L以上が推奨されます。テント泊は人数や季節、使用する道具、食事の取り方等で必要な容量も異なってきますので、迷われているなら少し大きめの60~70L台の容量を検討するのもおすすめです。
75L以上 テント泊(冬季) 雪山テント泊では夏よりも必要装備が増えますので、75L以上のザックが推奨されます。
これから大型ザックを購入してテント泊を始めるけれど、雪山テント泊も将来的に挑戦してみたいというイメージをお持ちの方は、最初からこのクラスの大きいザックを購入するのも一つの手です。

前述の通り、必要となる容量はその方の山行スタイルや環境にも左右されるため、あくまでイメージではありますが上記の対応例も参考にしてみて下さい。
春秋の寒い地域や冬の雪山登山においては、防寒着やアイゼン、ピッケルなど必要装備が増えますので、夏季よりも大きめのザックが必要となります。寒い季節の登山も加味した上でザック選びをするかどうか、ザックの使い分けをするかも含めて考えてみるようにしましょう。

また、意外と容量を選ぶ上で注目して頂きたいのが「交通手段」です。
マイカーで登山口近くの駐車場までアプローチする山行であれば、実際に登山で使うものだけをザックに入れて登ればいいのですが、電車やバスなどの公共交通機関をよく利用される方や、下山後に観光地や入浴施設へ出向かれる方などは、着替えや下山後の靴(サンダル)なども場合によってはザックに入れて登る必要が出てくるかもしれません。そのような場合は日帰り登山でも30L前後の容量があると安心です。

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用途別おすすめザックピックアップ

ハイキング

容量:16L
重量:450g
注目:シンプル&使い心地を追及

ハイキング

容量:20L
重量:1,200g
注目:耐久性とサポート力

日帰り登山

容量:24L
重量:910g
注目:軽量で通気性も良好

日帰り登山

容量:28L
重量:1,000g
注目:ボトムにX-PAC素材を使用

山小屋泊

容量:30+5L
重量:1,500g
注目:中型ザックの大定番

山小屋泊

容量:43L
重量:1,590g
注目:通気性抜群

テント泊

容量:55+10L
重量:2,400g
注目:背面調整機能、女性向け

テント泊

容量:75L
重量:2,260g
注目:選べる3サイズとサイズ調節機能

選び方その②:サイズ・性別で選ぶ

ザックはなるべく登山者に負担をかけないようにするため、フィット感をとても大切にしています。
そのため、見た目は同じザックでも、登山者の身長に合わせて複数のサイズから選べるようにしていたり、男性向け、女性向けモデルで各種ストラップの角度や厚みを変えているなど、より体型に合わせやすくする工夫がされています。
サイズや性別が選べるモデルであれば、なるべくご自身の体型に合ったサイズを選ぶと、肩と腰とでバランスよく背負えて荷重を分散できるのでストレスなく山歩きが出来ます。

サイズの分け方については身長に関連する「背面長」と呼ばれる、人の第七頸椎の突起部から腰骨の最上部までの長さを基にサイズ設定をしているものが一般的です。
各商品ページやメーカーサイズ表背面長(Backlength)という表記があるものについては、サイズを選ぶ際の一つの目安※になるのでチェックしてみて下さい。

ザックのサイズ選びやフィッティングでご不安な方は、石井スポーツ各店の経験豊富なスタッフにぜひお気軽にご相談ください。
▶石井スポーツ店舗一覧はこちらから。

※背面長が設定されていないモデルもございます。
※ザックに設定されている背面長とご自身の背面長がピタリと合致するとは限りません。あくまで一つの目安として捉えて下さい。
※ザックの背面長を、ある程度の範囲内で自分で調整できるモデルも存在します。

女性用モデルザック ピックアップ

女性用モデル

容量:18L
重量:810g

女性用モデル

容量:28L
重量:1,240g

女性用モデル

容量:33+7L
重量:1,420g

女性用モデル

容量:60+20L
重量:2,330g

ザックの選び方③:軽量モデルと背面メッシュパネル

各メーカーは登山者が少しでもザックを背負ったまま快適に山登りが出来るよう、様々な機能を開発しています。
ここでは数あるザックの機能・特徴の中から「軽量モデル」「背面メッシュパネル(ベンチレーション)」の2つをピックアップしてご紹介いたします。

ザック込みの総重量を抑えて疲れにくく動きやすくするため、薄くても耐久力がある生地を使用したり、外付けの部品減らしたりして軽量化に拘ったザックです。
荷物が少ない日帰り登山や、ULハイク・スピードハイクと言った山行スタイルで有効です。
使用する際のポイントはバランスを考え、「軽量モデルを選ぶ場合は、それに合わせて入れる荷物もなるべく軽量なものにしてあげる」ことです。また、普段は山頂アタック等で短時間使用する「アタックザック」も、つくりによっては軽量ザックとして普段の登山で使用できるものも一部存在します。

ザックの背面を通気性に優れたメッシュパネルにして、更にザックの本体形状を若干カーブさせることでメッシュパネルとの間に隙間を設けて通気性を高めたモデルです。
人の背中はメッシュパネルには密着しますが本体との間にある空間はキープされるため、常に空気の通り道が生まれて登山者の背中から出る蒸れを効率よく排出してくれる仕組みです。汗をかいて蒸れやすい梅雨の時期や、夏場の登山・ハイキングにぴったりな機能と言えます。
ザック本体がやや湾曲する形状になるためパッキングの面で工夫が必要なことと、雪山登山では雪が隙間に入り込む可能性がある点は留意しておきましょう。

軽量モデル&背面メッシュパネルザック ピックアップ

軽量モデル

容量:30L
重量:552g

軽量モデル

容量:60L
重量:1,220g

背面メッシュ

容量:28L
重量:1,270g

背面メッシュ

容量:32L
重量:1,440g

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おすすめザックブランド紹介

グレゴリー

1977年にアメリカで創業したバックパックブランド。
人間工学に基づいた快適な背負い心地、フィット感、機能性を追求。中~大型ザックも充実。

容量:20L
重量:862g

容量:30L
重量:1,380g

容量:50L
重量:1,978g

容量:65L
重量:2,230g

ミレー

1921年、フランスで創業した100以上の歴史をもつアウトドアブランド。
人類初の8000メートル峰、アンナプルナ登頂をはじめ、世界の冒険家にバックパックを提供してきた。

容量:25L
重量:600g

容量:30L
重量:1,000g

容量:40+5L
重量:1,560g

容量:50+15L
重量:1,720g

ロウアルパイン

1967年、米国コロラド州でクライミングの歴史に名を残すLowe三兄弟によりバックパックメーカーとして誕生。
アウトドアギアのパイオニアブランドとして革新的なバックパックを開発し続けている。

容量:25L
重量:855g

容量:35+10L
重量:1,600g

容量:50+15L
重量:2,150g

容量:65+20L
重量:2,880g

カリマー

1946年にサイクルバッグメーカーとして創業したイギリス発のアウトドアブランド。
日本で正規に売られているザックは全て日本人の体格を考慮し設計・開発されている。

容量:20L
重量:600g

容量:30L
重量:900g

容量:40L+
重量:1,530g

容量:70L+
重量:2,560g

ドイター

1898年にドイツで創業したバックパックブランド。
世界初となる通気性を考慮した背面システムをはじめとする数多くの革新的な機能で人気。

容量:21L
重量:430g

容量:27L
重量:1,330g

容量:30L
重量:1,120g

容量:50L
重量:2,050g

マムート

1862年にスイスで設立された世界屈指の長い歴史と伝統を誇るアウトドアブランド。
洗練されたデザインと高い機能性が融合したザックで登山者からの支持を得ている。

容量:15L
重量:720g

容量:24L
重量:850g

容量:28-35L
重量:1,290g

容量:75L
重量:2,640g

ザックと合わせて買いたいアイテム

ザックを選んだら、一緒に購入しておきたいアイテムをご紹介!
レインカバーに関してはザックに標準装備されている場合も多いのですが、小型ザックを中心に標準装備されていないザックもありますので、購入の際は確認してみましょう。

ザックの表面に吹き付けることにより、雨や水が染み込みにくくなるだけでなく、汚れも付きにくくなる(お掃除もしやすくなる)

ザックには付属されている場合も多いので、まずは確認してみよう。
そのうえで、無ければ雨対策に用意しておきたい。

ザック内で荷物を小分けに整理するための袋。
形状や大きさは様々。使い分けて必要な時に直ぐ出せるようにしたい。

こちらも荷物を小分けにするための袋だが、防水仕様となっている。
着替えなど絶対に濡らしたくないものを入れると安心。

バッグ関連カテゴリ一覧
ザック気になるQ&A

はじめてザックを購入される方や、ザックを使う方が気になるであろう情報をQ&A方式でご紹介いたします。

Q.ザックのメンテナンス方法は?
A.泥汚れが残ったまま保管すると生地の劣化に繋がるので、泥汚れは乾燥させてブラシで払い落としてから固く絞った濡れタオルで拭きます。普段は部分的に汚れを落とす程度で構いませんが、汚れがひどい場合や汗の臭いが気になる場合は合皮や革製を除けば丸洗いも可能です。その場合は外せるパーツはなるべく外してから優しく手洗いしましょう(洗剤は中性洗剤を使用します)そしてしっかりと乾燥(なるべく陰干し)させることが重量です。
Q.ザックの保管方法は?
A.風通しが良く、直射日光を避けられる日陰になる場所で吊るして保管するのが理想的です。
押入れやクローゼット、高温多湿になる車内のトランクや倉庫の中などに入れたままにしておくのは止めましょう。特に乾燥が不十分のまま風通しの悪い場所にしまい込んでしまいますと、生地の劣化やカビが発生する原因に繋がりますのでご注意ください。
Q.大は小を兼ねる?(ザックの容量選び)
A.大は小を兼ねるという言葉がありますがそれもある程度までの話であり、大きいザックで荷物が少なく荷物が下部に集中するよりは「腹八分目」くらいの適度なパッキングをしたザックの方が背負った際のバランスは良いです。
当面は里山ハイキング中心で荷物が少ない山行が多い場合や、パーティーの共同装備を持ってくれる方がいらっしゃるのであれば、無理に大きいのを選ぶ必要はないという判断もあり得るでしょう。
Q.富士登山ではどれくらいの容量が必要?
A.ご来光目的で山小屋に泊まる山行であれば、朝晩の冷え込みや山頂のご来光待ちで寒さを凌ぐために薄手のダウンジャケットやフリース、ニット帽、グローブなどの真冬並みの防寒対策が必須ですので30Lの容量が一つの目安となります。
脚力体力に自信があって、朝から日帰りピストンで登頂を目指す方であれば、山頂付近にどれだけ滞在するかによりますが、もう少し小さ目のザックで登れないことはないです。
Q.テント泊用ザックの容量はどれくらい?
A.ご自身の山行スタイル(ソロor複数人、自炊の有無、共同装備の担当、季節、泊数など)により適切な容量を見定めていきます。一般的には50L以上と言われますが、ウルトラライトに拘る方はそれ以下でもテント泊は可能です。逆にスタイルがまだ定まっていない方は、65L前後の容量を選んでおくと一定の安心感はあるかと思います。パーティーの共同装備(複数人用テントや燃料など)の担当だったり、食材や調理器具などを充実させたい方、雪山登山も視野に入れている方は70L以上を選ぶのがおすすめです。
共通して言えることは、容量が大きいザックになればなるほど、重い荷物を入れる事を想定した設計となっている事です。ザックの容量を小さ目にして軽量化を意識するのであれば、入れる荷物も併せて軽量化してバランスを取ってあげましょう。
Q.寒い季節(雪山や残雪期)のザック選びは?
A.晩秋から冬の雪山、春の残雪期にかけての寒い季節の登山では、アイゼンやピッケル、防寒着など夏場よりも荷物は確実に増えます。
もちろんコースにもよりますが、日帰り登山でも30~35Lくらいのザックが使いやすいです。
基本的には容量さえ足りていれば夏場に使用しているザックを使えばよいですが、強いて言えば雪が入り込んだりしないような外付け部品が少ないシンプル形状なものが向いていると言えます。その点で言えば、夏場に活躍する背面メッシュパネルを採用したものは隙間に雪が入り込む可能性があるので注意が必要でしょう。
Q.容量の表記で「+10」とかって何?
A.容量の表記で「60+10L」や「55-75L」などの表記がありますが、これらはザックの容量自体をその範囲で変えられる事を示しています。例えば60+10Lであれば、実際は60L~70Lの範囲内で運用できるということです。ザックによりその手法は異なりますが、雨蓋を更に上方向に伸ばせるように設計しているものが多いです。
拡張性のあるモデルは便利ではありますが、基本的には頭の「○○L」で使う事を想定していると考えたほうがよく、拡張させると全体のバランスは多少悪くなる傾向にあります。毎回限界まで拡張させて使うというよりは「必要な時はもう少し拡張できる」という捉え方で運用しましょう。
Q.同じモデルでもサイズにより容量が若干違う?
A.背面長をもとに複数のサイズ設定をしているモデルにおいては、例えばS・M・Lとサイズがあったら、SよりもLサイズの方が背面が長いのでザック自体も縦に長くなり、その分容量が数L程度増えるケースが考えられます(モデルやメーカーによっては背面長を変えても容量は変えないような設計をしているところもありますので一概には言えませんが)
これはあくまで結果的に生じるものですので、そこの容量の差はあまり気にせず、あくまでご自身の体型(背面長)に合ったサイズを選択するのが一番です。
Q.ザックの背負い方についてポイントは?
A.ザックの構造にも左右されるので全てに当てはまるわけではありませんが、パット付きのウエストベルトが付いているものであれば、
①ウエストベルト(腰骨の一番出っ張っているところとウエストベルトのセンターの高さを合わせてしっかり締める)
②ショルダーストラップ(肩にストラップが満遍なく乗っかるよう、やや斜め後方にストラップを引くと良い)
③スタビライザーストラップ(ショルダーストラップの根本に付いているザックを体側に引き寄せるもの。引っ張りすぎるとショルダーが歪むのでほどほどに)
④チェストストラップ(強く締めすぎると胸部が窮屈になるので補助のイメージでこちらもほどほどに)
の順で締めていくとバランス良く背負うことができるでしょう。
Q.ザックは軽い方がいいの?
A.軽いというのは大きな魅力です。そのうえで軽さを取るかサポート力を重視するかは、入れる荷物の重さやご自身の山行スタイルによります。例えば荷物が少ない日帰り登山や、スピードを重視するファストハイク等ではザック自体の軽量化で更に負担を軽減することができるでしょう。
一方で、山ごはんのために食料・水分を多く持ちこむ方や、パーティーでの共同装備(テントや燃料、登攀道具等)を担当するため荷物が重くなることが多い方は、ショルダーストラップやウエストベルトがしっかりしているサポート力に優れたモデルをおすすめします。
Q.パッキングのポイントは?
A.同じ荷物を入れるにしても、入れ方(パッキング)で背負った感じや肩への重さのかかり方は変わってきます。ポイントとしては「軽くて使用頻度の低いもの(着替えやシュラフ等)」を下に「重いもの(水分や食料、燃料等)」を中段から肩にかけての背中寄りに「直ぐ取り出したいもの(行動食やレインウェア、防寒アイテム等)」を上部や雨蓋ポケットに配置することです。
ザック容量に対して荷物が少ない場合は、サイドコンプレッションベルトや雨蓋のベルトを絞って荷物が動かないようにしましょう。また更なる収納を求めるなら、動きの邪魔にならない程度に外付けのポーチ類を利用するのもおすすめです。
Q.アタックザックって何?
A.宿泊装備を持参する登山や道のりが険しいルートの山頂アタック時に、不要なものを残置して身軽になりたい場面で使用する小型軽量のサブザックのことです。
普段はメインザックの中に入れておいて、山頂アタックをする際に取り出して荷物を移し替えて使用します。容量は10~20L辺りが多く、生地は薄くてザック自体をコンパクトに収納できるポケッタブル仕様になっているものが多いです。
あくまでサブ的な位置付けのザックですが、ウエストベルトが付いているものや、容量が大きめで各種ポケットが設けてあるものは、ULザックとして日帰りハイクで使えるポテンシャルを秘めているものも一部存在します。
Q.トレランザックって何?
A.山野の中を走るアクティビディである「トレイルランニング(トレラン)」で使用するザックのことです。
トレランでは走ることを重視するため必要最低限の荷物で山に入ります。容量も10L以下、大きくても20L程度までと一般的なザックよりもかなり小型なラインナップです。また、走りを邪魔しないために、背負うというよりは「着る」と言ったニュアンスの方がしっくりくる高いフィット感も特徴の一つです。
単純に小型ザックとして登山やハイキングに使う事も可能ですが、それこそ数Lの小型のもので山に入るなら、装備の徹底した軽量化や選別は必須です。経験と体力を兼ね備えたスピードハイカー向けの選択となるでしょう。